2013年9月27日金曜日

【ルポ】三遊亭遊雀のほろ酔い落語会/第14回キウイ寄席

雑誌「Domani」の連載「美人めし1、2、3」でご紹介した「さんまめし」。
「食べたい!」とのお声に応えてご用意しました。
鍋のフタをとった瞬間にふわっと立ち上がる秋刀魚の香り、
青光りする凛々しい姿、醤油と混じり合った絶妙な味が五感を刺激。
日本酒をかけて“酒茶漬け”にすると、これがまたイケル。

今夜もスヌ子が、ささっと作るおばんざい、いろいろ。
 ・生茄子の塩麹豆腐添え
 ・茄子味噌
 ・梨と長芋のマッシュ
 ・茸と春雨の旨煮
 ・セロリ酢ばす
「もはや、つまみじゃないよね(笑)。立派なお料理」という、
うれしいお言葉を頂戴しました。それならと・・・
 ・焼き鯖リエット
 ・レモンオリーブ、生ハム、パイナップルの黒胡椒がけ
さらに二品も召し上がっていただき、
「パイナップルと胡椒が、腰の強い日本酒に合う!」という驚きの声にニンマリ。
フレッシュな果物とスパイスは、お酒になれた口をリフレッシュさせ、
新たなうまみを引き出してくれるのです。いわば口中カクテル状態!?

合わせた日本酒は、今回は季節がら「搾りたて生酒」メインに。
フレッシュな旨口・埼玉の純米搾りたて生酒「神亀
和歌山の季節限定・純米無濾過搾りたて生酒「黒牛
常温〜ぬる燗で飲みたい灘の本醸造「白鷹
冷えたビール、スパークリングワインもたっぷりあるので、お好みで。

ほろ酔い気分、お腹も満たされたところで、
三遊亭遊雀師匠の登場です。
「待ってました!」(心の中で)
軽妙なまくらで会場はさらに温まり、「三方一両損」へ。
暴走する江戸っ子気質の応酬で展開する噺は、くすぐりも多くヒートアップ。
落語を今夜初めて聴くというお客様からは、
「ひたすら感動しています」
「もっと落語を聴きたくなりました」というありがたい言葉を頂戴しました。

落語のあとの懇親会は、おいしい日本酒の海にどっぷり・・・。
ご自身も六本木のお店で落語会「ザ・演芸ホール・ゆにおん」を主催されている
S田さんから差し入れていただいたのは、さすがのランナップ。
 ・佐賀の注目株・雄町のひやおろし純米七割五分磨き「七田
・宮城のお酒・若い杜氏が醸すひやおろし純米吟醸「山和
・広島西条のひやおろし吟醸原酒「賀茂鶴 楽月
ご近所のK上さんからは、日本酒通がうなる山口の純米吟醸無濾過「雁木」。
初落語のN田さんからは、さりげなく贅沢な3年熟成の
純米吟醸「神亀 ひこ孫 小鳥のさえずり」。
そして、キウイ寄席の燗番、K岡さんからは、
なんと19年ものの純米吟醸「神亀 大古酒」。
「1994年は就職した頃かねえ」なんて話をしながら。
さらに、昨日まで会津だった遊雀師匠からも地元の吟醸「良志久」を2本。
こんなに飲めない…、という心配は杞憂に終わり、
常温から、ぬる燗、熱燗まで、温度によって変わる味の変化を楽しみながら、
余裕を持っての山頂制覇。

9月は休みなしの遊雀師匠も、いい調子。
最後は、いつも通りの三本締め。
パパパン、パパパン、パパパンパン!
パパパン、パパパン、パパパンパン!
はい、もういっちょ!
パパパン、パパパン、パパパンパン!

どうもありがとうございました〜。

(H)


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2013年9月24日火曜日

【ルポ】科学バー サル編 vol.5「あなたはマッチョなチンパンジー派? セックスで平和を守るボノボ派?」

久しぶりの科学バー・サル編。
通称「おさるバー」は今回で5回目。
今夜は、チンパンジーを追って20年以上のレギュラーゲスト、
霊長類学者の山越 言さん(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科准教授)と、
江口絵理さんのお二人がゲストとして登場。豪華ツートップ!

すぐにでもお話をはじめたいところですが、
まずは、料理家スヌ子の料理とお酒を召し上がっていただきます。

お馴染みですが、常に進化する「大人のポテサラ」をはじめ、
 ・パイナップルコールスロー
 ・タコのハリサマリネ
 ・フレッシュなすサラダ
そして、
 ・レモンチキンとれんこんのロースト。
これがうんまい!
ワインにもビールにも合います。

料理とお酒で、少し気分もよくなったところで、
ご来店の皆さんの自己紹介タイムへ。

「お名前、ご職業、なぜ今夜ここへ?」

これだけのことですが、場がなごむから不思議。

会場もあたたまったところで、
ビールを飲みながら、リラックスした
山越さんのチンパンジーミニ概論の始まりです。
おさる好きにはたまらない贅沢な時間。
山越さん、人間性を探求すること、ヒトの進化を再構成することをめざす、
サル学、霊長類学の歴史をひも解き、
60〜70年代のベトナム戦争やヒッピー・ムーヴメントと
深く結びついてサル学は発展したと指摘。これは「!」。
チンパンジーの社会を考えるうえで大切なキーワード「離合集散」は、
職場の飲み会の二次会、三次会に行くときの人間の動きに似ているとか。
チンパンジーの政治力、オス中心社会、攻撃性は、
後半のボノボと対照的な特徴なので、少し詳しく。
山越さんの専門、チンパンジーの「食」と「道具使用」については、
貴重な動画を公開。何十種類にもおよぶ道具は、
地域によって使うものが異なるのだそう。面白い。
*詳しくは、山越 言「アフリカ類人猿のソシオエコロジー:THV仮説の現在」
『霊長類生態学』京都大学学術出版会)などをご覧ください。

休憩を挟んで、後半はボノボへの愛に満ちた江口さんのお話。

かつて、ピグミーチンパンジーと呼ばれていたボノボ。
チンパンジーに似ているけれども、ちょっと違う。
写真によっては、とても人間っぽい。というか、
こういう人、いるよね? というほど人っぽい。

 江口さんは、『ヒトに最も近い類人猿ボノボ』という翻訳書の
編集を担当したことがきっかけで、一冊のボノボ本を書いてしまった人。
セックスでケンカを避ける習性、女が生きやすい社会をつくるボノボのことを
知れば知るほど好きになり、「生まれ変わるなら断然ボノボ」なのだそう。
ボノボの分布、特徴など、話が進むにつれて熱が帯びてくるのも当然。
参加者の皆さんも、ボノボのユニークな行動に興味津々で、
山越さんの“学術的サポート”を受けながら盛り上がり、
いつも通りのおせおせ進行。

バー特製欧風ビーフカレーを〆に召し上がっていただいたあと、
さらに1時間、おさるトークは続いたのでした。
そして、最後に質問。

「生まれ変わるとしたら、
 チンパンジー? ボノボ?」

ぜひ、山越さんが一般向けに書いた文章や江口さんの本を読んで、
ご自分に聞いてみてください。


(H)


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2013年9月13日金曜日

科学バーの店主、NHKニュースで発見!

最近、お休みがちだった、
科学バーの店主、江口暢久さんがNHKニュース
ちらっと映ってました。

昨年の航海が荒天のために大変なことになりましたら、
今年こそ、南海トラフ巨大地震のメカニズム解明に向けて、
頑張ってほしいものです。
そしていずれは、マントルまで掘削!

(H)

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2013年9月12日木曜日

【ルポ】科学バー 海編 vol.10「三題噺 断層・富士山の噴火・海の授業」

科学バー・海編は、今回で祝10回。
おめでたいので、ししゃもは尾頭付き!
バーカウンターの蝋燭の火に照らされ輝いています。

不動の人気を誇る、進化する「大人のポテサラ」をはじめ、
 たこのサルサヴェルデ
 干しえのきフレーク
 ししゃものスパイス焼き
 ポークのトマト煮込み
 梨のピクルス
そして、〆の欧風ビーフカレーまで、
スヌ子が腕をふるい、皆さまにご満足いただけるだけご用意しました。
もちろんお酒も、スパークリングワイン、ビール、赤ワインなど、たっぷり。

今回は、ゲストの後藤忠徳さん海の研究者
初の単著『海の授業(幻冬舎)の発売記念も兼ねて。
おめでたいことが重なったので、
これまでと少し趣向を変えてみましょうかと、
初めて“ツートップ”で臨みました。
本でも触れられている、後藤さんはいかにして
海の研究者になったのか? を割と丁寧に。
研究者ってどうやってなるんだろう?
なぜ京都で育ったのに海を研究することに? など。

「本を買って」とお願いしているわけではなく、
海底のプレートが接して押し合っている様子を説明中。

海の底は平ら? 
という海の不思議に迫る話から展開するのは、海底火山。
そしていま気になる、富士山の噴火の話へ。
週刊誌などで騒がしいですが、さて。
調べてみると、富士山の地下20キロくらいの
ところにようやく、マグマらしきものがあるけれど、
「これ、そうとう深いよね」と後藤さん。
すぐに噴火! ということは考えられなさそうです。
ただ、このデータは2004年のもの。
9年経ってどれくらい状況が変わるのか、
それはわかっていないのでした。

海はどうして青いの? 
子供に聞かれて、ドキッとしそうな質問にも、
後藤さんは本と同じく丁寧に答えます。
深さによって海の色はどう変わるの? という
参加者からの質問を受けて、話題は深海へ。
レアメタルが期待される熱水噴出孔の話、
そこへ実際に「しんかい6500」に乗り込み潜ったときの話など。
深海に眠る“お宝”の話には、とくに女性が前のめりだったような。
「深海にはまだまだ夢と未知の世界が広がっているのだ」(後藤)

途中、地震と津波の話。地震予知の話などもたっぷり。
盛り沢山な一夜となりました。

さて、こちらの科学バー・海編は、
今秋から二子玉(ニコタマ)東急セミナーBEでもオープン。
新しい駅ビル「ライズ」の最上階。
ぜひご参加ください。


(H)


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茄子のアサディジョ漬け(後編)

結局、様子を見ながら1週間漬けた、
茄子のアサディジョ漬け。完成。

これ、随分テキトーな分量で作ったのですが、すごくおいしい。
そのまま、丸ごとガブリ!といって、ワインやシェリーで流し込むのが一番!

沢山あるしなあ、と小さめに切って、自家製ピザに仕立ててみると、
これがまたイケル。
焼けたクミンが香ばしいので、追加でトッピングするのがおすすめ。
アサディジョもすくって、ささっとかけちゃいましょう。

アサディジョの材料を再掲しますと、
乾燥赤ピーマン、ニンニク、フェンネル、クミン、
パプリカ、鷹の爪、オリーブオイル。
あとはピクルス液(ワインビネガー、米酢、塩、水)とオリーブオイル。

こんな感じかな? で、ぜひお試しを〜。



(H)

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2013年9月6日金曜日

【FRaUお取り寄せ】ボルディエ 海藻&バター

人気ランキング3位(8月1日〜31日)は、
FRaU7月号掲載「ボルディエ 海藻&バター」。

スヌ子のレシピは2品。

 この上なく簡単、しかもとびきり美味しい

 バゲットにのせてオープンサンド風に

おいしさは保証しますので、
ぜひお試しください。

(H)

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【写真展】明日は我が身 〜 川本健司の「よっぱらい天国」

写真家の川本健司さんが8年かけて撮りためた、
都市と愛すべき泥酔者の写真の数々。

「お疲れ様でした!」の気持ちを込めて
シャッターを切るという川本さん。

品行方正


大型のカメラをリュックに入れて夜の街を歩き、
これは! と思う被写体(泥酔して路上で眠っている人と
背景となる都市の風景)を見つけると、
路上に三脚を立て、カメラをセッティング。
気持ちを込めて1枚ずつ丁寧に撮るそうです。

威風堂々

これまで、よく見ずに通り過ぎていた光景なのに、
川本さんの写真を見てからは、
「タオルケットを掛けてあげたい」と思うように。

一番乗り

ふだん目にしながら、よく見たことのない、
“ニッポン人の生態写真”を思う存分ご覧ください。

9月、10月、11月と切り口を変えて、
各月7点ずつ展示します。

また、酔っぱらいをテーマにトークショーも企画中。
お楽しみに!

(H)

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2013年9月2日月曜日

曾野綾子 の「煮豆にもならない豆の話」

曾野綾子
「私日記」 第163回 煮豆にもならない豆の話

四月八日〜十日
<前略>
 九日は一日ぶらぶら。読書も。
 二月二十一日にベトナムの山間部で食われたダニの跡がまだ猛烈に痒い。
足に四カ所、肩甲骨の上に一カ所。その痒さがいつまでも続いていて、掻く
と強烈によみがえる。少し楽しみ。
 それで、『ダニ・マニア』(島野智之著・八坂書房)という本を買ってし
まった。私を食った奴の「お名前」を知りたいと思ったのだが、現物を捕ま
えてこなかったので、「お顔」もわからず、それは不可能。しかしこういう
本まで買える日本は、何という知的で豊かな国なのだろう。著者は仙台にあ
る宮城教育大学環境教育実践研究センター准教授でいらっしゃるという。
<後略>
             「Voice」2013年7月号(PHP研究所)掲載

ここに出てくる“珍本”『ダニ・マニア』(島野智之著)は、
キウイラボが企画編集した本の中でも(一部で)話題をさらった一冊。

本を買って読み、こうして日記に記してくださったのだから、
きっとお値段以上の感動をもたらすことができたのだろう。

この本、そのタイトルからは想像できないと思いますが、
食べものとの絡みも多いのです。

フランスのマルシェで見つけた、おいしそうなミモレットの話
「1章 ダニでチーズはうまくなる」から始まり、
終盤には「6章 タイ料理とダニをつなぐ香り」というように、
世界のおいしい料理の話が出てきます。

面白さは保証します。


(H)

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