2013年2月7日木曜日

【ルポ】科学バー 海編 vol.7「深海調査ウラ話」


科学バーの準備は、一週間前からはじまります。
これが目当て、と言ってくださる方もいる、
特製カレーの仕込みです。

今回は日本橋室町にある老舗鳥万の鶏肉たっぷり欧風チキンカレー。
煮込んでいる最中は味が決まらず、
首をひねっていたスヌ子でしたが、
冷蔵庫の中で寝かして4日を過ぎた頃になると、
めちゃくちゃおいしくなっている! 
時間が最高のスパイス。
ワインやビールにあう料理のあと、
カレーは終盤の21時頃にお出ししています。

さて、当日の様子をかいつまんでご紹介。
おそらく「Domani」12月号(小学館)に
紹介記事が掲載されたからでしょう、
女性の参加者が97.35%を占めました。
男性はお一人。

今回は「深海調査ウラ話」と題して、
前半は、大深度有人潜水調査船しんかい6500による調査の話。
後半は、誰もが気になる地震予知について。
ゲストスピーカーは、「海の研究者」ブログが好評、
4月には単著を刊行予定の後藤忠徳さん。

しんかい6500のウラ話は、裏らしく、
実は黄色い尾翼はいらない? とか、
マニュピュレータが動く様子を流して、
「いいでしょ? 好きなんです」(後藤さん)
なんていうマニアックな内容に終始(は言い過ぎかな。でもマニア度高し)
photo by Tadanori Goto

後藤さんが潜ったときの
船内から見た海の様子の写真を見ながら、
観察窓から見える海の色が、
深くなるにしたがって変わる様子を確認。
水深120メートルではほぼ真っ暗に見えます。
一般的には、人間の目で光を感じられるのは、
水深200〜300メートルまで。その先は、
どんなに長時間居ても目が慣れることのない真の闇。

ウラ話ですから、調査中の食事も大公開。
photo by Tadanori Goto
左上のカレーは船内の大人気メニュー(マーク入りのお皿が気になる)
右下のサンドイッチが潜航中のランチ。
おにぎりも頼めるそうですが、ほぼ皆さんサンドイッチを頼むとか。
アメリカ、フランス、ロシア、
中国の有人潜水調査船の話もでましたが、
あちらでは何を食べているんでしょうね? 

さて、休憩をはさんで後半は地震予知の話。
首都圏直下型地震は起こる、けれど、
日にちや震源地の特定は今のところできないので、
「△月▲日がアブナイ!」なんていう、
間違った情報には惑わされないでね、
という話に一同納得(されていたよう)

マニュピレータの話にやや引き気味だった
初参加の皆さんも(笑)、ぐっと身を乗り出し、
質問も出始めました。

「宏観現象」についても少し。
大地震の前触れかも? と思われている、
人間を含めた動物の変調・異常行動、
ラドン濃度の変化や発光現象などなど、
すべて含めて「宏観現象」と呼び、
どれも科学的に立証され予知できるレベルにはない。

いつか地震予知はできるようになるの? との問いに、
後藤さん曰く、
「100年後に出来ていたらいいね、という段階」。
ブレークスルーがあったらもっと早く? 
なんて思いますが、何しろ大きな地球が相手、
しかも地下深くを調べる必要がある。
予知に限らず、大きな研究テーマが眠ったまま。
掘り起こすのは我々から次の世代です。

地震はやはり気になります。
次回の海編では、3.11の後、
何がわかって、何がまだわからなくて、
いま研究者は何を調べているのかに注目。
3月下旬の予定です。

(H)

Happiness is always delicious
ギャラリーキッチンKIWI

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